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日々とりとめなく思うことをメモするための、備忘録。
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2024年04月27日 (Sat)
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2019年05月04日 (Sat)
その子どもと出会ったのは、月の出ない晩のことだった。
 ……なんて、それらしく回想を始めてみたところで、何も良い話などではない。ほんの3年ほど前のことで、彼は今と変わらずバイトで生活を繋いでいたし。ただし短期か日雇いばっかりだったけど。

 ざっくりと言うなら、給料日に買ったのだった。
 何を? その出会った子どもである。
 悪く言えば、人身売買である。
 良く言えば、まぁ身寄りのない子を引き取ったとも言う。
 だって大安売りだったから、とは後日の彼の弁。
 こんな馬鹿げたこと本気でしちゃう大人、この人くらいだ、とは子どもの弁。

 まあ彼は、今も当時もそれほど大した大人ではなかった。ので、その日もらった給料を懐に暇を持て余していたのだった。
 あまりにも暇で暇で頭がぼーっとしてきて、気がついたら隣の隣の隣の街まで乗合馬車に乗って来てしまっていた。
 うっわ、引く。自分に引くわー。なんて思いつつ、せっかく来たのだから、ついでに数日くらいここで遊んで帰るかとギャンブル施設に足を向けた。これが何か良く分からんうちに大当たりした。
 そこで彼は、たちまち転がり込んできた大金を元手に、さらにギャンブルに――などとはしなかった。
 だって何か運良すぎて不気味だし。明日馬車に轢かれそう。
 なので、宵越しの金を持たないよう、厄払いがてら使い切ってしまおうと思ったのだった。普段なら絶対に取らないランクの宿を手配して、ちょっといい服を買って、気になってた本を数冊買って、絶対に足を向けないような店で食事を摂ってお酒飲んで、それでもまだ余ってるなぁと歩いていたら、
「あっれれ」
 いつの間にか、何かあまり綺麗じゃない路地に迷い込んでいたのである。
「もーこれだから酔っ払いは」
 自虐しつつ頭を掻いて、とりあえず表の通りに戻ろうと辺りを見渡したら、
「……幻覚見ちゃうほど飲んだつもりは無いんだけどなぁ……」
 小さな子どもが、自分を売っていたのだった。
 何か小さな箱に入って、首から「大易売り中(汚い字、かつ誤スペル)!」の札をかけている。
 ぱさついた青い髪の毛は伸び放題で、特に前髪がひどくて顔が見えない。なのに服は小奇麗で、悪臭もしない。
 と、前髪の下から子どもの目が、彼を捉えた気配があった。あちゃぁ。めっちゃ見てるコレ。
「えっと」
「……かう?」
「うーん僕、そういう趣味は無いかなー」
「そっかーざんねん」
 絶対にボク、役に立つんだけどなぁ。
 そんな風に言われたら、何がどう役に立つのか気になる。
「たとえば?」
「お兄さん、見たところ不規則でお給料も安定してないでしょ」
 図星だ。というか、
「なんで急に口調がしっかりしたの?
 というか、その歳でそんな難しい言葉、なんで知ってるの?」
「これ、毎日見てたら何となく」
にこ、と口元で笑んで子どもが指で示したのは、風で飛ばされてきた新聞紙。
「読み書きできるのか! そういえば、その札も自分で?」
「たまーにボクをレンタルしていくオジサンが、少しだけ教えてくれたから。ちょっとした足し算引き算もできるよー。あんまり難しいのは分かんないけどね」
「レンタルって」
「変わったオジサンでね、何か旅の占い師らしくて。
 ボクを買うほどお金はないけど、一晩だけとか、たまにレンタルしてた」
「うう、そ、それって一晩何を……」
「話し相手とか、部屋の掃除とか。
 ま、そのオジサン昨日でまた旅に出ちゃったんだけどね」
 あ、良かった。いかがわしいことじゃなかった。何となく胸を撫で下ろす。無関係とは言え、やはり子どもがアレなことに身売りとかしてる話は聞きたくはない。そう思う程度には、彼にも良識はある。
 さておき。
「読み書きと計算、掃除の他には、何ができる?」
 彼は少し、この子どもに興味が沸いてきた。歳と境遇の割りに、話す言葉は理知的だし相手をよく観察している。こういう部分が、旅の占い師とやらにも面白かったのかも知れない。
 何せ一人の旅は寂しいものだ。ふらりと立ち寄った先で、ふと出会った子どもを適当に相手したくもなるかも知れない。
「えーと、縫い物と編み物はちょっとだけ。服のほつれとかボタン付けるの、好きかも。
 靴磨きも得意だよ」
「……それも、占い師のオジサンが?」
「うん。覚えといて損はしないからって」
「料理は?」
「さすがにむりかなぁ。でも魚と鳥は捌けるし、燻製くらいなら作れる」
「微妙にすごいね」
「だから役に立つって言ったでしょ。ね、どう?」
 やすくしとくよ、と子どもが軽口を叩く。青い前髪の下、ちらりと一瞬見えた目は色こそ分からなかったが、楽し気な光を弾いていたように彼には見えた。
 へぇ、と彼自身の口端も上がるのを自覚した。この子ども、こちらに自分を売り込んで計らせようとしているが、その実相手を計っている。
 別に、子どもにとっては今晩彼が自分を買わなくたっていいのだろう。本当に切羽詰まれば、
また別の手段で口に糊して切り抜ける。そういう逞しさと賢さが、この子どもにはある。
「率直に聞いてみるんだけど。君、本気で僕に買われたい?」
 なので、真正面から斬り込んでみることにした。正直ちょっと酔っておかしくなってたなと、後になって思ったものだ。そもそも『人を買う』という言葉の持つ意味を、お互いにすり合せてすらいなかったし。
 子どもは少しだけ驚いた顔をした。それから少しだけ首を傾げてから、前髪の隙間から彼をじっと見た。
「うん」
「お、言ったな。どんな扱いを受けるかも分かんないのに?」
「お兄さん、変態では無さそうだし。へんなひとだけど」
「へんなひと」
「うん」
 だってそもそも普通の人なら、こんなとこで自分を売り出してる子どもには声かけないよ。
 うっわ正論。紛れもない正論。だがそれを言うなら子どもだって相当変だ。身売り自体はそう珍しいものではないが、変な人と分かっている相手に自分を売り込むなんて。
 そう、明らかにお互いが変なのだが、酔っていた彼はただただそのときの気分に任せて笑ってしまった。
 だってたまたま、その晩使い切ろうと思っていたお金が懐にあったんだもの。仕方ないでしょ、縁ってやつだよ。と、笑う彼の金銭感覚は、一緒に暮らすようになった子どもには理解できないらしい。
「よし、買う」
「やったーありがとうございます! ちなみに期間は?」
「これからずっと」
「え」
 何も考えずに答えたら、子どもの前髪の下の目が丸くなった。ついでに多分自分の目も丸くなってたはず。そんなこと言うつもりなかったから。
 でもまぁ、いっか。細かいことは後で考えよう。
「君の今後の人生を僕は買う。前金として、君の言い値を払おう。それから、今後の衣食住だけは保障する。それ以上は、働き次第かな」
 どう、僕の役に立ってくれる?
 歩み寄って屈みこんで、小首を傾げて尋ねてみる。目線て大事。子どもを誑かすなら、とりあえず自分を小さく見せることからだと彼は知っている。
 子どもは相変わらず大きく見開いたままの目で彼を見て、そして声を上げて笑った。夜の路地裏だから、ちょっと静かにした方がいいんじゃないかなー、なんて彼は思ったが、
「うん、絶対に役に立つから。後悔はさせないよ」
続く言葉は、彼がそれまで生きてきて聞いた言葉の中で最も信用ができなくて、でも男気を感じたものだったので、良しとした。

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2019年05月03日 (Fri)
おつかれさまでしたーと声をかけて店を後にする頃には、半端に欠けた月もずいぶんと傾いていた。空にはうっすら雲がかかっている。残念、明日は雨か、と彼は内心嘆いた。せっかく久しぶりにバイト休みなのに。
 結局、バイトを辞めることはかなわなかった。何せ万年人手不足なのだから、仕方ない。ここは城下町だから、学院に通う若い子たちがバイトに応募してくることだってあるにはある。しかしその子たちが何故か早々に辞めていってしまうのは、
「……悪い子じゃないんだけどねー……」
やはりあのオーナーの一人娘が問題なのではなかろうかと、彼は思っている。
「まぁ気の毒な境遇ではあるんだけど、もういい加減大人なんだからさ。
 そんなに魔法使いになることに未練があるなら、今からでも必死に働いて自分で学費を貯めて、上級学院にでも入ればいいのに」
 そもそも上級学院には年齢制限も無い。一度は剣士を目指したベテラン冒険家が、ある日魔法の力に目覚めたので、上級学院で勉強をし直すということだってある。若い子だけじゃなく色々な人が通っている。
 しかし彼女のあの性格だ、それはそれでプライドが許さないんだろうな。なんて難儀な子なんだろう。そんなことを思いつつ、夜道を急ぐ。
 見えてきたアパルトメントの自室、窓に灯る明かりを見て思わず額に手を当てた。あちゃぁ。今日は同居人の方が先に帰っていたらしい。
「ただいまー」
「おかえりなさい!」
 扉を開けた途端、待ち構えていた大型犬のように飛びついて来た青い毛の子どもを、すかさず躱す。躱された子どもが勢い余り、閉じたばかりの扉にぶつかるまでがお約束。ごちん。今日もまた良い音がしたもんだ。
「いたーいひどーい!」
「いつまでも学ばない君が悪いんでしょ」
 ぶつけた額を赤くして喚く子を素っ気なく置いて、荷物の整理もそこそこに、もらってきた余りモノの焼いた肉をフライパンに、スープを鍋に移した。カマドに乗せて、火を起こす。後ろで子どもがモノ言いたそうな顔をして見ていたが、何もおかしなことはしていない。
 焦げ付かないように軽くフライパンを揺すったり、鍋を掻き回しつつ、彼は胸の底から息を吐いた。やれやれ。
「それで君、赤竜退治に行ったんだって?」
 じゅうじゅうと肉を焼く音に消されないよう、気持ち声を張る。スープから上がる湯気の向こう、食卓を整えていた子どもが困った顔になった。
「どこからそれを」
「ほら、いつも言ってるバイト先のオーナーの娘さん」
「……バイト先かえるって言ってなかった?」
「今日も断られちゃいました」
「あちゃぁ」
 ほいこれ、とアツアツの肉とスープを乗せたプレートを差し出す。心得たように子どもが受け取って、テーブルに運ぶ。もう一枚は自分が持って、席に着いたら両手を組んで。
「んじゃ、今日も美味しいご飯が食べられることを、神様とバイト先のオーナーに感謝します」
「感謝します」
 祈りを捧げて、ナイフとフォークを手にする。
「あーおいし」
「それで、バイト先はこのままなの?」
「うん、まぁどうでもよくなっちゃうよね、こんなに美味しい残り物もらっちゃうと」
 そして、そんなことで話題は簡単に逸らせないよ、と子どもに真っ直ぐ視線を向ける。
 ……前髪が邪魔で、よく見えない。やっぱり切らなきゃだめだこりゃ。
「あー……その」
 それでも子どもには前髪に妨害されずに意図が届いたらしい。口に含んだ肉を飲み込んだ子どもが、さらに眉を八の字にして話し始めた。
「ボクは止めたんです。あの竜は砂漠の瘴気を取り込んで浄化してくれてるから、討伐しちゃだめだって」
「うん」
「でもほら、ギルド長さんは砂漠の向こうまで、安全な道を開拓したがってるじゃないですか」
「交易路ね。あるじゃん、もう」
「うん。でも最近モンスターが増えて、商売人や旅人がおそわれることが増えてて」
「それは世界樹の周期的に仕方ない――って誰も知らないの?」
「そうみたい。で、これはきっと赤竜さんのせいだーって盛り上がっちゃって」
「あちゃぁ」
「仕方ないから先回りして、こっそり赤竜さんと話して、派手な立ち回りの後やられたフリをしてもらって、しばらく姿を見せないようにお願いしてきました」
 なるほど、それで討伐譚になるわけだ。
「きちんと賄賂持って行ったかい?」
「うん。世界樹の葉の紅茶を。このあいだ、行商のエルフさんから買っといたヤツ。喜んでましたよ」
「それならよかった」
「全然よくないです。これでまたボクのうわさが一人歩きしちゃってるんでしょ」
「今日の時点では『異世界から来たチート転生者』になってたなー」
「もー!」
 憤慨したように頬を膨らませて(でもその中身は肉だ)、子どもが眉を逆に吊った。でもその実、彼は知っている。コイツ、まんざらではあるまい。だって街に出ればチヤホヤされるのだから、気持ち良くないわけがない。
 ……まぁべつにいいけど。後々それで困るのは僕じゃないし。
 そんなことを思いながら、クリームスープを口に含む。うっわ美味い。新メニューにするって言ってたけど、マジ美味い。オーナーてんさい、オーナーばんざい!
「それにしても、困った世の中になっちゃいましたね。世界樹の周期のことや、各地にいらっしゃる大物さんたちの役割について、今はあまり知られてないなんて」
 ボクだって、こうして先生に教えてもらってなかったら誰にも教えてもらえないまま、竜退治にでも何でも行っちゃってました。
 そんな風に言う子どもの顔は、そこそこ真面目なので、
「先生って呼ばないでって何度も言ってるでしょ。
 うん、学院がね。きちんと教えてないまま冒険者を量産しちゃってるから」
ついつい、ちょっと思い上がるくらい許してしまうあたり、つくづく彼は教育者ではないのである。
「学院……」
「行ってみたい?」
「別に……魔法は先生が教えてくれるし……でもそう言われちゃうと、どんな風に何を教えてるのかは、気になるかも」
「行ってもいいけど、学費は自分で出しなさいね」
「ひどい!」
「君の方が稼ぎがいいんだから、当然でしょ」
「もー!」

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2019年05月01日 (Wed)
何やらファンタジー世界にて、『転生したら異世界でチートキャラになっていた』というのが流行っている。
 ……らしい。
 ふむふむ、それはそれは。何というかこう、人は鬱憤を溜めこんでるのだなぁと、彼は思ったのであった。
 ある日、とてもよく晴れた昼下がり。バイト先の食堂でせっせと食器を洗っていたときのことである。
「それで、つい最近この世界にもそれらしき人物が転生してきたみたいで」
「へー」
「確か城下町の冒険者ギルドで、小さな子どものなりしてすっごい魔力持ってて」
「ほー」
「この間のほら、赤竜退治! あのパーティに参加して活躍したらしいよ!」
「ふーん」
 よし、これで一区切り。洗った平皿を水切りに立てかけて手を拭いて、彼は軽く伸びをした。いい加減に伸びすぎた前髪が目に刺さって痒い。視界の端にかかる茶色い髪を適当に左右によけ、ごしごしと目を擦っていると、
「ちょっと、ちゃんと聞きなさいよね! あとそんなに目を擦ったらだめよ!」
熱心に話しかけていた、この食堂の娘になじられた。床を磨く手は完全に止まっている。
「ああはいはい聞いてました、とりあえずそのモップ貸してください」
 手を動かさないと仕事は終わらないんですよー。そんなこと言いながら、擦る対象を目から床に変える。
 ひたすら床の汚れを落とすべく手を動かしていると、落ちかかる髪の毛の先、うっすら視界に入っていた食堂の娘が頬を膨らませた。こちらに突き刺さる、尖った青い目が痛い。やれやれ、仕方ないなぁと内心で肩を竦める。
「……そもそも、なんでまたその子が転生してきた子だと言われてるんです?」
 めんどくさいこと限りない、と思いつつ、彼は話を振った。床を磨く手も少しペースを落とす。相手は雇用主の娘、あまり印象が悪くなっては困る。
「だって、子どもなのよ? 子どもが、すごい魔法を使うの!」
「そりゃ、そういう子もいるんじゃないんです?」
「分かってないわねーあなた。魔法ってのはね、そんな簡単なもんじゃないのよ」
 一応客足は落ち着いているものの、手が空いてるなら夕方の仕込みでもしてくんないかなーこの人、とは口には出さない。
 彼女はふふん、と軽く(小さな)胸を逸らして人差し指を振った。これはまた、とてもめんどうな話が始まりそうな気配である。誰か助けてくれ、と視線をそっと配るが、他のバイトくんたちは見て見ぬふりだ。
「まず魔法というのは学問なのよ。資質や魔力は誰にだってあるの。それを理論的に使いこなすために、大変な訓練と学習が必要なの」
「ソウデスカ」
「ええそうなのよ! 莫大な知識を礎に、命を削るような魔力制御の訓練を重ね、それを強い意思を束ねて具現化するの。生まれてほんの数年の子どもが、そんなことできるはずがないのよ!」
「ナルホド」
「ええ、幼少期に天才と持て囃され、学院にまで通った私が言うんだから間違いないわ! 学費さえあれば上級学院にだって通えた、この私が! 言うんだから!
 あの子は間違いなく、神のような超越的存在からギフトを与えられ、異世界から来たのよ!」
 金髪ストレートを振り乱して言う熱弁する彼女とは対照的に、周囲の温度はガンガン下がる一方だ。これさえなければ可愛い子なのになーと、1m後ろで鍋を振るうギルバート君が言ってた。彼もそう思う。何せこの子は色々めんどくさい。
「ああ、この先とても大変ね。きっと西の勇者と組まされて、竜王退治にけしかけられるわ」
「そうなんです?」
「ええそうよ! あの竜王さえ倒せば、もっと西の領土を開拓できるんですもの」
「ううーん」
 もう床掃除、終わるんですけど。昼休憩に入りたいなぁ。
「きっとそれをやりとげたら、今度は北の魔女退治ね」
「あー」
 隣町の食堂に転職するかなぁ。
「あの魔女さえいなくなれば、北の地にも春が来るんだから。ああ、そうやってきっと古今東西の難問を押し付けられるのかと思うと、ちょっと気の毒だわ」
「いやー」
 うんそうしよう。あとでオーナーに相談しよう。……もう23回目だけど。
「あなたもそう思うでしょ!」
「ええーそうですかねー」
 僕にしてみれば、西の竜王はむしろ西の地から溢れる瘴気を吸って守ってくれてる存在だし、北の魔女はただ研究熱心なだけの変人魔法使いなので害も無い。
 多分彼女の中で転生者とやらに討伐候補にされてる東の魔剣も、抜かれて困るのは僕ら人間だと思うなぁ。
 ……などとは、彼は決して口にしない。もう何度も口を滑らせそうになったけど、決して口にはしないのである。
 ともあれ、色々口から発散した彼女はすっきりとした顔をしている。これならもう、相手にしなくてもいいだろう。
 モップを所定の位置におさめ、彼はにっこりと笑って声を上げた。
「床掃除おわりましたー。休憩入りますねー」

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2019年04月30日 (Tue)
テレビは視てないので何とも言えんが、ちょっと寂しさみたいなもんは感じるなー。
 ばっちゃんはギリギリ大正生まれなので、昭和、平成、令和と四つ目の元号に突入だそうな。

 猫さまたちが亡くなったら、関東に移り住みたい。家賃8万くらいでみつけた24時間音の出せる物件に住んで、ひたすら音楽だけ考えたい。時々文章書きたい。そして生涯オタクでありたい(笑)。
 
 ここんとこ色々ありすぎて、結構心身の消耗が激しくてなー。
 それで気づいたけど、自分はホントどうでもいいことで余裕無くなると、好きなことに対しての質がガタ落ちする。ごはん食べられなくなるし、ちょっとしたことでミスる。
 負のスパイラルに陥って、何でも悪い方に捉えたがる。普段なら気にならないことをいちいち拾い上げ、それに悪い意味をつけて被害妄想的な考えを肥大化させる。
 心配性で小心者で神経質で、少し冷静になってから我ながら頭抱えるほどの始末。

 安心感が無いんだよな。何をしてても基本的に不安。

 そんな日ばかりではないと分かっていても、渦中にいるときは中々俯瞰するだけの冷静さも無い。
 時間がもったいないなぁ、なんて思いつつ、待つことしかできない時期もある。分かってても、そんなのが10年単位で続いてると、本気で錯覚する。
 本来はそんなわけないんですよ、その時々で順調かつ充実してて楽しんでるときもあるはずなんだ。
 
 とりあえずもう少し、自分の中で決着つけて、そんでまた色々がんばりたい。楽器さわりたい。文章だって書きたい。話つくりたい。

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2019年04月22日 (Mon)
黄砂か何かにやられて、喘息めいた症状が出ててしんどい……現在進行形。

 ・5月から、ようやく祖母の介護から解放されることになりホッとしてます。おかげで本業の枠が少し拡張できるし、身体も回復できる。
 ・といっても、夜間の見守りは継続なので週の半分弱は家に帰れないorz
 ・GWにこそイベントへ……と思ってたのになぁ。全く話書けてない。進まない。
 ・とうらぶの特命調査、文久土佐藩! 楽しみだ!
 ・大猫サマ、好調。もう16歳になる。おじいちゃん。

 ……長義さんの性格、いまいち掘り下げきれない。二次創作を読み過ぎた(苦笑)。極めたら、まんばちゃんと和解するんだろか。でも蜂須賀さんは曽根さんと和解してないもんな……。
 あと不動くんを極めて驚いた。何だこの子かわいいな。

 それにしても去年の年末から倒れたヘルパーさんの肩代わりをしてたので、疲労が溜まり過ぎてて何もできん。GWは、まずは体力回復に専念しないとなぁ。

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